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Tuesday, 26 July 2022

[New post] ストレスと攻撃性

Site logo image abimamarie posted: " インスタで #StudyTimewithAbi タグをフォローしてね! ドッグトレーニング業界で有名なMichael Shikashioさん(犬のビヘイビアリストで、特に攻撃性行動を多く扱う)のポッドキャスト、The Bitey End of the Dogを最近聴くようになりました。興味あるゲストが盛りだくさんです。マイケルさんの専門分野である攻撃性に関わる視点からのお話が多いので、いわゆるリアクティブなワンちゃんで悩んでいる人に特にオススメです。 今回はDr. Kristina Spau" abimamarie

ストレスと攻撃性

abimamarie

Jul 26

インスタで #StudyTimewithAbi タグをフォローしてね!

ドッグトレーニング業界で有名なMichael Shikashioさん(犬のビヘイビアリストで、特に攻撃性行動を多く扱う)のポッドキャスト、The Bitey End of the Dogを最近聴くようになりました。興味あるゲストが盛りだくさんです。マイケルさんの専門分野である攻撃性に関わる視点からのお話が多いので、いわゆるリアクティブなワンちゃんで悩んでいる人に特にオススメです。

今回はDr. Kristina Spauldingさんが出演。この方はPet Professional Guildという協会のFBページでやってるパネリストディスカッションに出てるのを見たことがあります。生物心理学:動物行動学を生物学の観点から学ぶこと(biopsychology—the study of the biological basis of behavior)が専門らしいです。

今回は、ストレスと攻撃性についてのお話でした。最近富にストレスのことを語っているSNS発言を見かけていたので、シンクロしてるな〜と思い、ポイントを書き出してみました。犬のストレスを理解する上で何か役に立つといいなと思います。

私の感想としては、やはり大事な家族の一員とはいえ異種の動物である犬たちが、人間社会で暮らしていく上でのストレスというのは私たちが想像する以上なのかもしれないなぁと思いました。なので、以下のような点が大事だなと感じました。

  • 種特有のニーズを理解すること
  • 人間都合のレンズで判断して理想を押し付けないこと
  • 特に若犬期までの時期に信頼関係を築くことを重視すること
  • 愛犬の様子を観察し、変化やサインに敏感になること
  • 愛犬の自律する能力を育むようなサポートをすること

ストレスが及ぼす弊害を考えると、やっぱり嫌悪刺激をトレーニングに使うというのはもっての外だと思います。脳やその他心身に悪影響が出てしまうので、敢えてストレスに晒すだとか刺激を与えて我慢させるとか、マイナスの効果しかないかもしれません。これ、先日インスタで書いたことにもリンクすると思うので、もしお時間ある人はそちらの投稿もご覧ください。

ではポッドキャストの内容に入りましょう!

リスニングだけで書いてるのでもしかしたらちょっと解りにくい箇所あるかもです。(動画ありとなしでは難易度が違いまして。汗。言い訳すみません。)


https://open.spotify.com/episode/2uzutlq3jcveNEtJVRsxNV

ストレスにも種類があって、マイルドなものは必ずしも悪いものではありません。今回焦点が当たるのは、その中でも悪いもの、有害なストレスです。

有害なストレス(以下、単に"ストレス"と呼びます)のうち、特に慢性的なストレスと発達ストレス*の心身への影響が心配されています。このストレスが過度に続くと、免疫力低下、成長ホルモン低下、生殖機能低下、消化機能低下といった各種生理的機能が阻害されてしまいます。(*発達ストレスは成長する段階で必要なニーズが満たされないことからくるストレスと調べたら出てきました。若犬期までにニーズを満たしてあげれるかが大きく影響するのもこのせいですね。)

動物がストレス下にあるのかどうかというのは、一見しただけではわかりません。理論上はホルモンレベルや心拍数を測るなどして計測することでその状態を垣間見ることは可能ですが、ストレスには感情という面も影響しているので、実際のところ信頼できる数値化は難しいとされています。

攻撃性行動を考えても、表面的に攻撃的に見えても、それによって動物の感情/目的が満たされているのであれば、それはストレスではないとも考えられます。攻撃性行動は犬のコミュニケーションの一種です。攻撃性行動が何かしら不安や恐怖といった感情から出ているのであれば、ストレス下にあると言えるでしょう。(注:でも感情は測れないですね!)

ストレスレベルの判断基準

一般的に、以下の点を考慮することでストレスレベルを見ていきます。

  • ボディランゲージ
  • その犬の経歴(保護犬、トラウマ、病気してたかなど)
  • 遺伝(妊娠中の母犬のストレスレベルも考慮)
  • どのくらい継続してストレス状態にあるのか(時々見られるのか、毎日、何度もあるのか)
  • リカバリーは早いか?(活動的でなくなる、食べ物に興味を示さない、遊びたがらない、警戒心が高まる、などが元に戻る速さ)
  • 常同行動障害が出る(家庭犬では攻撃性行動と一緒に出ることは稀だが、シェルターで時々ある)
  • 不定愁訴(皮膚、消化器系トラブルなど)

レジリエンスについて

上記のリカバリーというのは、レジリエンスと近い意味ですが、レジリエンスはもっと広い意味で、動物がストレスに対してどれくらい順応できるのかということです。これは思考や行動レパートリーが柔軟だという意味です。一定の状況に対処する術が一つしかない場合、レジリエンスは低いと言えます。よって、代替行動を教えようと言われるわけです。これを教えることで認知機能、思考回路も向上し、処世術が身につくのを目指します。これは、エクササイズやエンリッチメントも同様の効果/目的があります。

また、予測可能かどうかということもポイントになります。予測がつきやすい嫌悪刺激はストレスが低めに感じられます。そして、社会的サポートもとても大事です。犬がストレスを感じた時に周りに助けを求める存在(飼い主)がいて、その存在が手を差し伸べてくれる、支えてくれるといったことです。

コントロールとエージェンシー

これまでは、問題行動修正と称してストレス下にいる犬の行動を制限したりするトレーニングもありましたが、今はその犬にエージェンシーを与えるというアプローチに切り替わってきています。コントロールとエージェンシーという単語がよく互換性のある意味合いで使われていますが、違いがあります。エージェンシーは自分にはどれだけコントロールがあるかということを自覚することで、コントロールは客観的に見てどんな手法が存在するのかという単なる見解です。客観的にはその犬は他の対処法もあるように見えるのに、犬がそれに気づいていない/知らない/使えない場合はエージェンシーが与えられていないということになります。

感情について

感情は3つ(一部は4つ説)の側面を持ち合わせています。

  1. 行動学的
  2. 生理学的
  3. 主観的要素(気持ち)
  4. 認知的評価(脳がその状況をどう判断するのかということ。楽観的、悲観的など)

感情には、行動を起こすためのモチベーションとなるという機能性があります。なので、特に複雑な問題行動などの場合、原因となる感情を理解せずに表面の行動だけを修正するというのはとても難しく、根本的解決とはなりません。

感情は「感情価(Emotional Valence)とアラウザル(興奮)」及び「感情と気分」という2次元モデルで表すことができますが、実際に感情を調べるという測定方法は現状ありません。

例えとして、リードの付いた犬が他犬に対して飛びつき、唸る、吠える行動をしている。ボディランゲージは耳は後ろに平たく倒していて、口角は深く引いてあり、相手に向かって走り寄る、尻尾はお腹の方に巻いて隠している状態を考えてみましょう。

これだけでは正直この犬の感情はわかりません。特にアラウザルレベルが落ち着かないと判断が難しいです。興奮状態の犬は感情とはリンクしない行動を選ぶこともあるからです。実生活では、楽しい、嬉しいといったシンプルで分かりやすい感情は読み取ることが容易かもしれませんが、攻撃性行動など複雑なものだとその犬の感情を行動やボディランゲージから判断するのは不可能に近いでしょう。上記の例でも、攻撃的な行動をしつつも刺激に向かっていってるので判断が難しいです。こういう場合はアラウザルレベルが比較的わかりやすい指標になると思います。アラウザルはストレスと相関性が高いので、その行動をしている時に犬がどれだけ興奮しているのかを見ることで、どれくらい強いストレスに晒されているのかというのは判断できます。

(私的メモ:感情モデル理論は様々な意見に分かれていて、よく決まっていない状態。将来的に各理論が影響しあってより納得のいくものになるかも。古典的なパンクセップモデルや、新しく出てきたConstructional Emotionモデル。Kristina先生は後者の方寄りの意見としていた。)

ストレスとトラウマについて

トラウマは急性または慢性の許容範囲を超えたストレスのことをいい、脳内では主に以下3つの分野で影響が出ます。

  1. 扁桃体が非常に活動的になる=危険や刺激に敏感になる
  2. 海馬が損傷する=恐怖/トラウマ前後の状況を識別する力が弱まる
    これは消去に影響を与える分野でもあり、恐怖消去学習がしにくくなる
  3. 前頭前皮質がダメージを受ける=感情抑制、衝動抑制、注意力、考える力が働きにくくなる

ストレスと自制心について

ストレスは自制心に以下の様な影響を与えます。

  • 行動抑制能力が衰える
  • 遅延報酬への嫌悪 (delay aversion) →短時間で手に入る価値の低い報酬vs待ってから手に入る価値の高い報酬があった時、前者を選ぶ傾向にあり、後者の報酬を待つことにフラストレーション/ストレスを感じてしまう。→攻撃的になりやすい

自制心を働かせられない犬は、報酬がもらえないとフラストレーションを抱える、つまりストレスに感じてそれが攻撃性に発展しやすくなります。ここで感情の起伏が激しい犬が自制心が効かない場合だと、感情は行動へのモチベーションとなるという機能性から、アラウザルが激しく高まった時、その時の感情が誘発する行動へのモチベーションも高まることになります。一方でその行動を抑制する力(自制心)は小さいので、問題行動がより出現しやすくなってしまいます。

ストレスを経験することが多い、トラウマがある個体の場合、特に自制心を働かせるのが難しくなります。かつ、恐怖や不安を感じていることが多い場合、行動を抑制することは困難になります。つまり、行動修正がうまくいかないことも多くなります。

感情的な反応性(reactivity)

リアクティブの程度は以下の点から判断します:

  1. その感情がどれだけ容易に誘起されるのか。(Reactivity)
  2. その感情がどれだけ早く現れ、そしてどの程度まで高まるのか。(Intensity)
  3. その感情から平常心に戻るまでどれくらい時間がかかるのか。(Duration)

これらがあまりよくない個体は、より刺激に反応しやすくなります。ネガティブな感情でいることが多くなり、悲観的になるため、それがさらにリアクティブさを増してしまうという悪循環に陥ってしまいます。これらの個体はより強力な対処スキルが必要となってくるでしょう。


以上です。いかがでしたか?こういうポイントを理解しておくと、愛犬のストレスを判断する上で参考になるし、変なラベルを貼る(『頑固だ』『人間を見下してる』など)ことが誤解だと気づくのではないでしょうか。そして、最近のドッグトレーニング業界がこういった理論に基づいて変化してきているのだな〜というのもとても面白いですね。一般飼い主さんの皆さんからは、『飼い主さんがちゃんとリーダーになりきれてないからワンちゃん言うこと聞かないんですよ。わがままさせてしまっていますね。』とか言うプロには沢山質問して納得のいく説明を求めてくださいね。是非私たちの知識が底上げされることで業界全体がより良い方向に進むといいなと思います。

PS:あ!CAMファクターのシリーズを書こうと思って忘れていました・・・。この記事が途中に入っちゃってすみません(汗)そのうち再開します(大汗)

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