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Saturday, 25 June 2022

[New post] 犬の認知症(Canine Cognitive Decline/Dysfunction)

Site logo image abimamarie posted: " ご無沙汰しています。最近フォローしはじめたC.A.M.(Canine Arthritis Management)というFacebookのページでは、疼痛が原因の行動変容などについて学ぶリソースが満載です。我が家でもアビちゃんのコンディショニングという面でトレーニングを見直したのが去年のこと。健康寿命を維持するには、日頃のお散歩ももちろんですが、体のバランスだとか筋肉というのも大事だなと思っています。アビちゃんはまだまだ元気いっぱいですが現在6歳。日頃の生活の中で注意すべきことなどを知り、病気や怪我の予防" abimamarie

犬の認知症(Canine Cognitive Decline/Dysfunction)

abimamarie

Jun 25

ご無沙汰しています。最近フォローしはじめたC.A.M.(Canine Arthritis Management)というFacebookのページでは、疼痛が原因の行動変容などについて学ぶリソースが満載です。我が家でもアビちゃんのコンディショニングという面でトレーニングを見直したのが去年のこと。健康寿命を維持するには、日頃のお散歩ももちろんですが、体のバランスだとか筋肉というのも大事だなと思っています。アビちゃんはまだまだ元気いっぱいですが現在6歳。日頃の生活の中で注意すべきことなどを知り、病気や怪我の予防や早期発見ができたらなと願っています。

今回は、CAMのハンナ先生のご友人でもある、キャシー・マーフィー先生(獣医師兼脳科学者。Barking BrainsというFBサイトを運営されています)のインタビューを取り上げたいと思います。マーフィー先生は以前取り上げたBeyond The Operantシリーズにも登場してる方で、以前からファンです 今回のテーマは犬の認知症についてです。既にシニア期にあるワンちゃんと暮らしてる方、もうすぐシニアだねってワンちゃんがいる方に役立つと嬉しいです。

(動画は二時間近くあって、丸々訳すと膨大な量になるので、以下大事だなと思った部分を書き出しています)

犬の認知症というのは、老化に伴う機能低下のことではなくて、脳の機能不全を指します。また、機能低下というと一時的なもの(怪我など)も含まれ、それらは区別されます。ただし、厳密に診断する手法というのは確立されていないのが現状で、獣医も色々な症例と個体の症状を照らし合わせ、薬を試し、違ったら別の可能性を探る・・・といった手探り状態の対応となっています。MRIなどの検査を駆使して脳の状態を調べるというのは不可能ではないものの、その検査全てをシニア犬に施すというのも現実的ではありません。(検査のための全身麻酔自体が老体には高リスク。)

犬の認知症(以下、CCDという)を疑う際は、1. Disorientation(失見当識)2. Interaction(周囲との交流)3. Sleep Wake Cycle Disturbance(睡眠覚醒サイクル障害)4. House Soiling(排尿排便障害)5. Activity Levels(活動レベル)の面から観察していくことになります。

目的もなさそうにウロウロしている、休まらない、家族や同居動物との関わりが減った、避けているようだ、夜に眠れていないようだ、昼はずっと寝ている、トイレを失敗するようになった(初期の症状として猫に多く見られる)、以前より活動的でなくなった、などといったポイントです。

CCDにおいて、実際に脳では何が起こっているのかというと、脳の活動に必要な酸素やグルコースが行き渡っていない状態にあります。また、大脳皮質、皮質下領域の一部(プラス、海馬という意見もある)が萎縮している状態です(これらはまだまだ研究が必要な分野)。

そして、特定の分野のニューロンが減っている状態にあって、特に、コリン作動性ニューロン(前頭皮質)は、記憶をプロセスする分野で、このニューロンが減ると高度な認知レベルの機能が働きにくくなります(高度な認知レベルというのは、複数の認識・感覚器からの情報をまとめて判断し、その状況に応じた行動を取るというようなこと)。そして、ノルアドレナリン作動性ニューロン(特に頭頂部)、これは注意プロセスを行う分野です(例えばいくら良い脳機能を維持していたとしても、仕事をするためにタスクに"注意を払え"なければ仕事は完成しません)。

ヒトの認知症同様、犬の認知症(CCD)にも種類があるとは予測されていますが、現状わかっているのは、特定のタンパク質(アミロイドベータタンパク質)が脳内で蓄積されるということで、ヒトでいうアルツハイマー病に似ています。これはニューロンまたは脳内血管に蓄積することで脳梗塞などのリスクを高めます。また、Tau Tangles(神経原線維変化?)といって、タンパク質繊維がニューロンなどの周りに絡まることがわかっていて、これらはヒトの研究と同様の傾向です。ヒトではこれらのタンパク質蓄積を抑制するような薬が開発されていますが、望ましい効果が見られていないのが現状で、ヒトでもまだまだ未知の分野です。現状では、タンパク質の蓄積があるというのは確かとされているものの、それが病気の原因とは言えないのでは?との見解もあります。

では認知症の原因はなんなのでしょうか。CCDは多様な原因、種類があると考えられていて、1)遺伝性による発症 2)通常の老化とは別に病気として発症 3)脳機能は正常なものの、その他の病気によりCCD様の症状が見られる、という風に言われています。

診断に於いては前述したように様々な検査を駆使してというアプローチも若年の犬には可能かもしれませんが、後者の"トライ&エラー"アプローチの方がアドバンテージがあるかもしれません。特にCCD様の症状が出ている犬の場合は、その犬との接し方というのを十分に考えて欲しいです。この理由から、飼い主が日記をつけるなどして、栄養の変化や投薬への反応を獣医に逐次連絡するといったアプローチの方がマネジメントしやすいと思います。

CCDのような神経変性疾患の場合は、薬で治すというものではなく、その時点の生活の質を改善するように薬などを活用していくといったアプローチとなるので、獣医との密なコミュニケーションというのは不可欠です。

CCDの明確な治療方法というのはなく、個々の症状・状況によって違ってきます。予防としては、CAMと同様の基礎的介入が効果的と考えられています。CCDには固有受容感覚障害(proprioceptive deficits)というのがよくみられるので、ふらつく、すぐに何かにぶつかる、躓くなどの症状があることが多いです。なのでCAMで推奨しているような体重管理、生活様式管理を通して筋骨格に負担をかけない生活を心がけるのが望ましいです。

生活様式管理としては、ルーティン、家具の配置などを急に変えないなども大事で、床材の滑り防止も心がけましょう。もし犬が困惑していたり方向感覚を失っているとしたら、足元が危ないというのはとても危険なことです。その犬が静かになれる場所を確保してあげることも有効で、感覚器が休まる時間を作ってあげましょう。また、脳のどの部分に障害があるかにもよりますが、その犬のニーズはどうなっているのかも考慮しましょう。散歩にしても、もしかすると静かな場所に車で連れて行き、沢山くん活しながら少しだけ歩くという方が向いている場合や、散歩=歩くということに低下した脳機能がついていけないという場合もある(どこに居るかわからず不安とか)ので、ケースバイケースです。一方で、ルーティンとして同じ場所を同じ時間帯に歩きたいという犬もいると思うので、どのような生活スタイルが合ってるかな?というのを見極めてあげてください。そのためにも日記をつけるというのはとても役に立ちます。

では、犬に合っているのかどうか、犬が満足しているかはどうやって判断するのでしょうか?ルーティンを変えると犬が不安そうにしているとか、うろうろしたり息が荒かったりと、休まらないようだ、などは明らかな指標となります。ルーティンを続けるにしても、そのアクティビティが他のもので阻害されていないか、その犬が混乱することを招かないかという点も気をつけてあげてください。例えば、決まった時間にコングで食事するのを楽しみにしているCCDの疑いがある犬が、コングを食べてる際に他の元気な同居犬や小さな子供に邪魔されて落ち着かないなどはあまり良くないでしょう。(これは健康な犬でも気が休まらないかもですね!)

また、犬が日中に寝てばかりいて、夜にそわそわしたり眠れていないようならば、日中のアクティビティが不足していないか?という点も見直してください。日中に家族との時間だとか、エンリッチメントなどをしていれば、自然と疲れて夜は眠れる傾向が強まるはずです。投薬でも、脳への酸素供給を促すもので日中によりアクティブでいられるようにサポートし、メラトニンで夜の睡眠をサポートするという使い分けもできます。

この点はCAMでもアドバイスしていることなので重複するのですが、じっとしている、筋肉を使わないというのが負のループに嵌ってしまう原因となるので、日常を通してエンリッチメントという観点を意識してあげてください。

エクササイズはエンドルフィンの分泌や血行促進という点でもとても役に立ちます。酸素とグルコースがきちんと脳まで行き渡って欲しいので、運動するというのは好ましいことです。シニア犬は若い子のように運動するというのは無理だと思うので、より快適に過ごせるような手助けが必要です。それは薬を活用することも含まれます。日中に何度か立ち上がって、水を飲むだとか、ちょっとうろうろするみたいな活動をしつつ、また休む。何時間も同じ場所でじっとしていて、夜中になってうろつくというようなことは避けるようにしましょう。

シニア犬の飼い主には、辛そうな犬を邪魔したくない、動かしたくないと躊躇する人も多いですが、少しだけでも自ら動く様に助けて欲しいです。もちろんどの程度痛みがあってなどは個体によるので、獣医と相談の上決めてください。

ペットが老いた時、飼い主にはより一層の慈悲と忍耐が必要になってきますが、その時彼らが、CCDの脳をもって今までとは違った風に世界を見ているというのを忘れないで欲しいです。アクティブな生活を送ってきた家庭などでは老化を受け入れることが難しいかもしれませんが、犬の観点からの生活の質というのも考慮してください。

薬にはいろいろな種類があって、主に脳への酸素、グルコースを促進させるものや、その他の神経伝達物質の抑制/増進が目的のものとあります。獣医にかかって、とある薬が出る、犬に効果が見られないというケースもあります。獣医側もその犬の脳内で何が起こっているのかというのははっきりとはわからないので、トライ&エラー的なアプローチになるのは仕方がないことです。通常は、同様の症例に効果があったという薬から試して行くことになるので、観察できる症状を元に、脳のどの分野に障害があるかもしれないというのを予測し、それに応じた薬を選ぶというのが通例です。そして、その効果が出ているかどうかというのは、飼い主側の観察力とコミュニケーションに依存しなければなりません。薬は通常4週間程度の投与・観察期間とすることが多いです。

ただし、抗不安薬(anxiolytics)に関しては個別に扱う必要性があって、もっとも頻繁に処方されるのはBenzodiazepineという薬ですが(注:先生たちは英国の方です)、ヒトと犬では効果が違ってくる場合もあり、不安は和らぐかもしれないが、うろうろするなど不安様の行動が増えるとも報告があり、本当に不安が緩和されてるのかはわかってないのが実情です。この理由から、Benzodiazepineに対する反応というのはとても複雑なので、もし不安症状が主なCCDの傾向として出ていて、このタイプの薬が処方されるというのであれば、理にかなってはいるものの、副反応としてその他症状、ペーシング(うろうろ)、パンティング(息が荒い)、ストレス様の症状などが出てしまうということも心に留めておきましょう。この薬にもいろいろ種類があるので、あるものは合った、合わなかったとうこともあります。抗不安薬が出ている場合は特に、短期間での獣医とのコミュニケーションが必要であると覚えておきましょう。

薬が全然効いてなさそう!というようなことでも、どんなに些細な変化でも獣医と話し合いましょう。獣医はその情報を元に犬の脳内で何が起こっているのかというのを予測することができるので、犬を助けるために、飼い主も獣医と共に医療チームの一員であるということを忘れないでください。

CCDと栄養やサプリメントの分野について。脳機能と腸内細菌叢の関係については明らかに関連はあるとは思われますが、いまだに未解明分野です。(マーフィー先生が)これまで見た研究において、サプリメントや栄養面での変化が脳機能にもたらす影響というのは確実に結果として出ていますが、それらの研究の多くが健康な個体、健康な脳における影響であるというのがポイントで、この研究結果がすでに罹患しているCCDに適応するとは残念ながら断言できません。

(マーフィー先生は)サプリメントはその効能の根拠というのは存在するので、試したければやってみていいと思いますが、一部獣医界でサプリメントを否定する派もあります。ただ、サプリメントに投資したからといって、獣医の訪問回数を減らすとか、獣医に相談しないということで弊害が生じることは避けましょう。(先生はサプリメントを与えて効果が見られるとか、経済的に許容できるなら続けたらどうか?というスタンスでした。)

(私的メモ:ここは、私はサプリメントは身体にその他の不調がないなら大丈夫そう?とは思いますが、脳機能系のってオイルが多いと思うので、それらの消化器系への負担や肝臓胆嚢あたりの機能性も兼ね合いを見極めた上での利用がいいのかな?と思いました。私が勉強している森式の食事療法では脂質は身体の負担が多いので、必要な分以上は取り入れない方がベターと学びました。消化器系に不調をきたし、栄養吸収が妨げられると脳には悪影響ですし。サプリメントはマーケティングの謳い文句だけに惑わされず、愛犬の体質や体調を見極めた上で賢く利用したいですね!森先生は西洋薬を否定はしていません。日々の養生を心がけていれば、いざという時に薬に頼り、その恩恵を受けやすくなるとの考えです。)

不眠対策のメラトニンについては強いエビデンスがあるので、(マーフィー先生は)勧める方針ですが、使用の前にかならず『疼痛性の不眠』の可能性を排除してからにしてください。CCDにおいては脳機能の低下による睡眠障害であって、疼痛性の睡眠障害は別物と考えます。夜の睡眠を促進するというのは、犬にとっても家族にとってもとても重要なことです。獣医と相談の上、犬や家族にとっての優先事項はなにかによっても対応は変わってくると思います。

(ここからは順序が前後します。動画では前半で説明されています)最後に、この『疼痛性の不眠』についてもう少し深掘りします。「痛み」という刺激が脳を起こすことで眠りを妨げるということですが、痛みは松果体から生成されるメラトニンを低下させてしまいます。メラトニンは眠りにつく、眠りを継続するのに使われるホルモンです。メラトニンが低下すると仮に眠りにつけたとしても目が覚めやすい状態になります。

逆に覚醒時においては、痛みは注意能力、認知プロセス機能に影響します。痛みに注意を取られているために、その他のことをプロセスできる能力が低下している状態です。これも認知症と似たような症状として観察されます。これは健康な脳でも起こりうる症状なので注意しましょう。この場合、CCDではなく、脳機能の一時的な障害です(例えば子供を産んだばかりの母親の脳が子供優先の判断をするなど。)両者の症状、自覚症状はとても似通っているそうで、実際にヒトの認知症の初期段階では、睡眠障害による認知機能低下のように感じるそうです。

診断されていない犬の認知症は多いとみられていますが、本来は認知症ではない一時的な機能障害が認知症と誤診されている可能性も高いかもしれません。これらは疼痛、睡眠障害、炎症などといった原因で発生している可能性があり、これらや栄養面での考察を合わせて脳機能を判断することで、一時的な脳機能障害かCCDなのかの判断がつくと思います。

いずれにせよ、疼痛がもたらす不調というのはCCDあるなしに関わらず、取り除くに越したことはないので、何か行動変容が見られる場合は痛み止めの薬を試すということ躊躇しないでください。これが効いて痛みが取り除ければ、認知症があったとしても生活の質の向上に繋がるのは確かです。


以上です!やっぱりどうやっても長かった(苦笑)ですが、大事なポイントが満載だと思います。私は食事療法とかを学んでいるくらいなので、正直、西洋薬を使うというのはできるだけ避けたい派です。でも、仮に愛犬が痛みで生活が苦になっているだとか、そういう場合には試してみることも必要だし、その他の体重管理だとか日常生活の怪我防止なども心がけたいなと思いました。我が家はタイル床なので・・・滑るんですよね。なのでアビちゃんの脚が心配・・・。上手に歩いてはいますが、ラグが敷いてある場所は必ずラグの上を歩くんで、やっぱりタイルの上は歩きづらいんでしょう。床中に何か敷くということに夫が抵抗すると思うのですが、さてどうやって説得しようか迷い中です。トレーニングする時は基本マットを敷いてやってるんですが、それも敷きっぱなしはダメ!って言われてしまったので(涙)フロリダの住宅はタイル床はポピュラーなので、シニアっこ達は辛いですよね。何か良い折衷案はないかなぁ・・・。現状は、ソファの乗り降りする時とかはラグかヨガマットを使ってもらっています。少しでも滑らないように!日本では床にはタイル状のカーペットとか使ってる方が多い印象です。パテラなどが多い小型犬を飼ってるご家庭が大半だと思うので、そういう意識は高そうですね。

ワンちゃん(その他動物さんも)たちは、こうして欲しい!という要望を私たちに直に伝える術を持っていないので、私たちがちゃんと観察して気づいてあげたいですね。そして、あまり心配しすぎて、オロオロオーラを浴びせるのもまた違うような気がするので、やはり情報を知って、それをベースに判断するという冷静さも忘れてはなりませんね。

みなさんのおうちではシニアっこ達がいらっしゃいますか?何か気をつけてることなどありますか?是非SNSなどでシェアしてくださいね。参考になった!と思う他の飼い主さんも多いかもしれません。

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